Dresdner Butterstollen

ドレスデンのバターシュトレン


シュトレン

ドイツのクリスマスにはナッツや香辛料をたっぷり使った日持ちする焼き菓子をたくさん焼くのがならわしですが、
その代表的なもののひとつシュトレンです。
シュトレンの歴史は大変古く、1329年に早くもナウムブルクでその記述が見られるそうです。
しかし当時はカトリック暦の断食期間に食べられるパンとして、バターやミルクを使うのは禁じられ、
燕麦、水、菜種油のみで作られていました。シュトレンという名はドイツ語で「坑道」を意味しますが、
坑道に似た形に作られ、仕上げに粉砂糖を真っ白くふって、布にくるまれた幼子イエスに見立てています。
1430年、ローマ法王にバターを使う許可が求められますが、あえなく拒絶されます。1491年にようやく油の代わりにバターの使用が認められました。
この時書かれた手紙は「バターの書 (Butterbrief) 」と呼ばれているそうです(笑)。
シュトレンはドレスデンが発祥地と言われていますが、ドレスデンにシュトレンの名が現れるのは、ナウムブルクに遅れること150年だそうです。
当時は 「シュトリーツェル」Striezel と呼ばれ、ドイツで最も古いクリスマスの市であるドレスデンの市で売られ、その名を有名なものに
しました。この頃にはシュトレンはすでに断食期間の質素なパンではなく、果物の砂糖漬けやナッツをふんだんに盛り込んだ
お祝いの菓子に変貌していました。
現在では、マジパンを加えたり、クワーク(ヨーグルトの一種)を加えたり、ケシの実を加えたり、多種多様なヴァリエーションが
ありますが、ここでは基本のバターシュトレンの作り方をご紹介します。
型を使うと便利ですが型がなくても作れます。ここではKAISER社から発売されている長さ40cmの型を使っています。


材料(長さ40cmシュトレン型用)
小麦粉(ドイツでは550型)500g
生イースト菌のキューブ1個(40g)
牛乳 125ml
バター200g+ショートニング50g(合わせて溶かしておく)
砂糖 90g
卵黄 2個
レモンの皮のすりおろし 1個分
アーモンド 130g
レーズン(できれば スルタニーネンとコリンテンを合わせて)250g
ラム酒 約200cc(レーズンが漬かるだけ)
ナツメグ 少々
バニラエッセンス
塩 少々
粉砂糖たっぷり(仕上げ用)
溶かしバター50g(仕上げ用)





作り方
☆レーズンは前の晩にラム酒に漬けておきます。

☆牛乳を約40度に温めておきます。
☆バターとショートニングを合わせて溶かしておきます。
☆アーモンドはスピードカッターか包丁で細かく砕いておきます。
(粗さは仕上がりの歯触りの好みに合わせて♪)。
☆型に油分を塗っておきます。
☆天板にも油分を塗って粉をはたいておきます。

ボウルに小麦粉をふるい、真ん中にくぼみを作って、イースト菌をほぐして入れます。
砂糖小さじ1と上記の牛乳を少しだけ加え(イースト菌がひたひたに浸る程度)、約15分間予備発酵させます。
(細かな泡がたてばOK。何も起こらない場合は温度が低い可能性があるので、
温かい牛乳を加え、指を浸してお風呂くらいの温度に感じるくらいに調節します)。

そこに上記の溶かしバター、砂糖、卵黄、レモンの皮のすりおろし、バニラエッセンス、ナツメグ、牛乳の残りを加えて
こね合わせます。
濡れた布巾を掛け、温かいところで約1時間発酵させます。

レーズンのラム酒を濾したもの、こしたラム酒も少々、それに砕いたアーモンドを混ぜ入れて型に流し込み、
さらに約15分間発酵させます。
(指で表面をつついて、弾力が出ればOK)。

オーブンを180度に熱します。

生地をあわせて型に入れ、手で表面を均等にならし、型の開いた部分を下にして天板に乗せます。
(型を使わない場合は、楕円形を作り筒状にして天板に乗せ、
さらに約20分発酵させます)。
型を使う場合はそのままオーブンに入れ、約1時間180度で焼き上げます。

焼き上がったら型から外し、温かいうちに溶かしバターを刷毛で塗って、
さらに粉砂糖をたっぷりふります。
冷えたら薄紙に包み、陶器などの入れ物があればそれに入れ、冷暗所に置いて数日間寝かせます。
約一週間から二週間で食べ頃になります♪

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